静岡の地酒
① 静岡の地酒(西部)
「ふじのくに」静岡は、富士山・南アルプスなどの山々からの、酒造りに適した豊かで清らかな伏流水や大小の河川、そして温暖な気候に恵まれた土地柄でございます。古来、温暖な土地での酒造りは難しいと言われながらも、各蔵元の努力と創意工夫によって醸された酒は、一蔵、一蔵ごとの想いがあり、個性があり、バラエティ豊かなものです。ぜひ静岡の地酒を堪能してください。
花の舞 (はなのまい)
『花の舞酒造』浜松市
創業1864年。静岡県産米を100%使用した地元浜松の銘酒。
赤石の山麓でじっくりと醸し出され、すばらしい吟醸香とフルーティーな香りをもち、深い味わいをお楽しみいただけます。
出世城(しゅっせじょう)
『浜松酒造』浜松市
地下約100mから汲み上げる仕込み水は天竜川の伏流水を使用。
熟成された旨味のあるお酒は、最新の設備で造られる、地域に根付き庶民に愛される酒づくりをしている酒蔵である。
千寿 (せんじゅ)
『千寿酒造』 磐田市
明治35年創業。越後杜氏による35%山田錦と静岡酵母を長期低温発酵させた淡麗辛口タイプで、レトロなボトルが大人気。静岡酵母特有の華やかで上品な香りが魅力。
葵天下(あおいてんか)
『遠州山中酒造』 掛川市
蔵の石数は僅か450石で、赤石山系小笠山の伏流水を地下100mより湧き出る仕込水と、吟味した酒造好適米により醸造しています。
杜氏や蔵人を招いて酒を造ってもらうことなく、蔵元だけの手により丹精込めて醸された酒です。
国香 (こっこう)
『国香酒造』袋井市
総生産量200石と非常に小さな酒蔵で、知る人ぞ知る隠れた銘醸蔵です。
この蔵のお酒はどれも品質が素晴らしい上にコストパフォーマンスもよく、おすすめですが、少人数での生産の為、最近の人気の高まりで入手困難になりつつある。
小夜衣(さよごろも)
『森本酒造』菊川市
慶応年間創業。大正12年に現在の地に移転した際、新古今集の歌の中から命名される。
菊川の伏流水で仕込む量は、年間わずか三百石という小さな蔵だが、作り手の熱き思いのこもった自家醸造が飲み手に伝わる酒をうみだしている。
開運 (かいうん)
『土井酒造場』掛川市
酒名は地元小貫村の発展を願ってつけられた。
能登杜氏が高天神城の湧水で仕込む。
② 静岡の地酒(中部)
正雪 (しょうせつ)
『神沢川酒造場』静岡市
東海道の宿場町にあるこの蔵は、旧庵原郡由比町で南部杜氏が、酒蔵の横を流れる神沢川の上流から取水した水で仕込み、大吟醸・純米大吟醸・純米吟醸は製品の上槽後、清酒の香味を逃がさないよう全量生酒で瓶詰めしている。
満寿一 (ますいち)
『満寿一酒造』静岡市
安政3年の創業以来一貫して地元の伝統を守り続け、現在では唯一「志太杜氏」の残る蔵元で、静岡吟醸の牽引役となった銘蔵だ。
清流安倍川の伏流水と静岡酵母により、綺麗な香りとすっきり軽快で、さらりと飲めるお酒を醸します。
志太泉 (しだいずみ)
『志太泉酒造』藤枝市
明治15年創業以来、時代の流れに左右されることなく、創業当時の味を守り続けている蔵元さんです。
ドライな辛口ではあるが、ふっくらとしたやわらかさがあり、甘酸のバランスがよく、はじめ甘味が爽やかに軽く感じられ、その後を酸が後を追ってくる感じです。
磯自慢 (いそじまん)
『磯自慢酒造』焼津市
磯自慢酒造は、天保元年(1831)に創業した歴史ある蔵元である。
また洞爺湖サミットで各国首脳に振る舞った酒として脚光を浴びた事でも有名です。
華やかな吟醸香で全体はスッキリと辛口の切れのある仕上がりながら、はじめは甘味すら感じる。
萩錦 (はぎにしき)
『萩錦酒造』静岡市
明治9年創業。静岡市を代表する銘醸蔵。生産量は100石と少量ながら若手実力杜氏の酒に対する愛情は、近年の品質向上が実証している。
やわらかい水質を活かした、含み香のあるやわらかい味が特徴です。
喜久酔 (きくよい)
『青島酒造』藤枝市
爽やかな香りとスッキリとした中にもまろやかな旨味、キレのよい喉ごしに、やわらかさと上品な甘みがコクと絶妙な調和を見せ、吟醸香も深く静かに漂い、コストパフォーマンスの高さを実感できるお酒です。
杉錦 (すぎにしき)
『杉井酒造』藤枝市
東海道線藤枝駅から徒歩で15分ほどのところにある杉錦の創業は天保13年(1842年)と古くからある蔵元です。
現在の石高は800石で、志太地区の酒の中ではやや中硬水タイプの水質を生かした旨味のある酒として親しまれる。
初亀 (はつかめ)
『初亀醸造』藤枝市
初亀醸造は寛永12年(1636年)、現在の静岡市で創業し、明治初年現在の岡部町に移り現在にいたります。
岡部町は東海道五十三次の宿場として栄えた町で、初亀はそんな旅人の体と心を癒す酒として親しまれて来ました。
臥龍梅(がりゅうばい)
『三和酒造』静岡市
創業1686年。南部杜氏が興津川伏流水をもって仕込む。
長年「静ごころ」銘柄で親しまれてきたが、数年前に新しいコンセプトの清酒 鳳雛「臥龍梅」を発売し好評を博す。
英君 (えいくん)
『英君酒造』静岡市
英君は創業明治14年、日英修好通商条約締結と徳川の英でた君主にちなんで命名されました。
現在、南部杜氏古川靖憲の熟練した技術と蔵元の情熱によって、手間を惜しまない酒造りを続けています。
忠正 (ちゅうまさ)
『吉屋酒造』静岡市
創業は宝暦元年、現当主橋本元雄社長で16代目を数えるという県内屈指の歴史を誇る蔵元です。
徳川慶喜が静岡に居住した際、同行した勝海舟、山岡鉄舟、新門辰五郎らに愛飲された辛口銘酒として知られ、今でも静岡市民に地酒の代名詞として親しまれている。
君盃 (くんぱい)
『君盃酒造』静岡市
明治初めごろ、満寿一酒造から枝分かれし、昭和初期に現在の場所に移転した、生産量150石という小さな蔵だが、社長自らが醸し地元に密着した地酒である。
実直で優しい人柄と親子の情熱が込められた酒で、着実にのびてきている酒蔵です。
若竹 (わかたけ)
『大村屋酒造場』島田市
創業天保3年。東海道の要所島田で憩う旅人の間で一世を風靡した銘酒。
「鬼をも殺す強い酒」と謳われた重厚な酒は、秘伝の技が光り、原酒のコクと香りは、芳醇な味わいの中に力強さを感じる。
③ 静岡の地酒(東部)
現在、全国の地酒ファンから大変ご支持いただいている「ふじのくに静岡」の地酒ですが、静岡県が地酒の銘醸地のひとつとして認められた歴史は決して古くはありません。 静岡の地酒が大きく飛躍し、全国から注目を集める原動力のひとつになったのが「静岡酵母」の存在なんです。静岡酵母とは柔らかな果実香を引き出す、静岡県が独自に開発したオリジナル清酒酵母で、静岡酵母で醸した酒は「静岡型吟醸」とも呼ばれます。特長としては「1.フレッシュで飲みあきしない酒」「2.フルーティな香りで雑味のない綺麗な酒」「3.優しい味と香りで食中酒として最適」といった賞賛のお声をいただいています。
高砂 (たかさご)
『富士高砂酒造』 富士宮市
1820年創業。日本一の山、富士山より湧き出る軟水「富士の水」を仕込み水に使用しています。
代々「能登杜氏」による山廃仕込、再仕込で醸された酒は、口当たり優しく、少し甘く感じるお酒に仕上がっています。
げんこつ
『富士正酒造』 富士宮市
富士山麓で幕末期の慶応2年に創業。富士山の湧水を用いた、本当に小さな造り酒屋です。
誠実に、こだわりを持った酒は、水のやわらかさを映しながら、ふくらみのある豊潤な味わいが特徴となっている。
富士山 (ふじさん)
『牧野酒造』富士宮市
創業100年以上の歴史を持つ、能登杜氏による酒。
仕込水は、蔵の上流にある静岡県の三大名水のひとつ椿沢からの柔らかな水で造る、ほのかに甘みの残る静岡県らしい優しい味が特徴。
金明 (きんめい)
『根上酒造』御殿場市
万年雪のある富士山頂には古来枯れる事のない霊泉「金明水」があります。
清酒「金明」はこの「金明水」にちなみ、明治初年創業以来、富士山麓、御殿場の高原清涼な地で、富士の湧き水を仕込み水に、全量手造りのお酒です。
あらばしり
『万大醸造』伊豆市
創業昭和12年。万大醸造の仕込み水は伊豆天城連峰の麓、宇佐美火山帯より湧出する清浄な水「年川の豊富な湧水」を使っています。
原料米は酒造好適米「山田錦」「五百万石」、地元産「狩野川・大見川流域のあいちの香り」を清酒の種類に応じて使用する。
富士錦(ふじにしき)
『富士錦酒造』富士市
創業が元禄年間300年という伝統のある蔵元。富士の湧水と恵まれた自然環境のなか、うまい酒つくりに励んでいます。
富士山の湧水は軟水の為、上品な香りとスッとした喉越しが楽しめ、食間酒として料理の味を引きたてる自然な味わいが人気。
白隠正宗(はくいんまさむね)
『高嶋酒造』沼津市
創業文化元年。水、麹、火入れ、熟成期間を考慮した、小さい蔵ならではの丁寧な酒造りをし、地下150mから湧き出る富士山の雪解け水を使用し全製品蓋麹造りしている。
静岡県オリジナル「誉富士」を使用し、静岡酵母特有の香り穏やかできれいな味わいと、ほどよい酸が隠し味となり、含み香の艶やか酒質となっていて、品質の向上に熱心に努める注目蔵。